スタジオ・レダ・コラム

第三話「本物のカリスマは最高のヒーラーじゃ!の巻」

作:T. SUZUKI 画:まどっち
じぃ「おい坊主、この前(※第一話)、オマエさんカリスマになるとかほざいとったな。」ボンズ「うん、オレ決めたんだ。」
じぃ「今日はオマエにいいコト教えてやろうと思っての。」ボンズ「何?☆!じぃちゃん」
じぃ「オマエは音楽で人気者になりたいんじゃろ?プロになりたいんじゃろ?」ボンズ「もちろんさ。武道館くらいいっぱいにする、フェスでトリもとる、CDもバンバン売って海外進出もするさ。」
じぃ「おお、威勢のいいことよのぉ。勢いも大事じゃが物事の本質を見極めることも忘れるじゃないぞ。」ボンズ「…うん。」
じぃ「なぁ、人はどんな場所に、どんな人間のところに集まってくると思う?ずばりそれは2種類しかないのじゃ。」ボンズ「2種類??」

じぃ「いいか坊主、一つは切実に必要とされるもの。もう一つは中毒性のあるものじゃ。」ボンズ「うーん、なるほど…」
じぃ「一つ目の切実に必要とされる存在ってのは、例えば腕のある医者だとか、悩んでる時に相談したくなる、アドバイスが欲しくなるような人物じゃ。わかるか?」ボンズ「うん」
じぃ「二つ目の中毒性のあるものってのは、文字通り麻薬やジャンクフードなんてのもそうじゃが、例えばデズニーランドのような完成度の極めて高いエンターテインメントとかオマエの言うカリスマ的存在ってのもそうじゃ。何度もリピートしたくなるじゃろ?」ボンズ「オレ毎食マクドでもいけるぜ。」

じぃ「こう考えると一つ目の必要とされる存在ってのは実は商売に向かないとも言えるんじゃ。」ボンズ「どうして?じぃちゃん。」
じぃ「いいか、本当にいい医者、本当にいいアドバイスってのは、自立を促すものじゃろ?」「悩みから解放され、健康になれば通わなくなるじゃろ?」ボンズ「うん、そうだね。」
じぃ「つまり人が切実に必要とするものってのは通過する場所なんじゃ。その場所が目的ではないんじゃ。」ボンズ「うーん、そうかー」
じぃ「じゃからな、成功したいと思う人間ほど二つ目の中毒性を獲得しようとやっきになるものじゃ。オマエもそうじゃろ?」ボンズ「(図星…)」
じぃ「オマエの頭の中なんぞお見通しじゃ。」

じぃ「じゃがイチガイに中毒性が悪いとは言っとらん。中毒性とは娯楽性と重なる部分も多いからな。実はワシもデズニーシーが好きでの。孫と行ってワシの方がアドレナリン出とるわ。(センター・オブ・ジ・アース最高じゃぞ…)」ボンズ「…」
じぃ「ワシがオマエに伝えたいのはな、目先のことばかりに惑わされるなってことじゃ。オマエがこの世で与えられた使命みたいものを感じとって人々に必要とされるような表現を信じてせい。本物の医者ならば絶えず人に求められ続けるじゃろ。儲けに目がくらんで患者を薬漬けにしてつなぎ止めたりせんのじゃ。」ボンズ「うん。そうだね…」

じぃ「まぁ究極的に言えば、一つ目も二つ目も行き着く先は同じじゃがな。本物の医者はエンターテイナーとも言える。本物のカリスマは最高のヒーラーじゃ。」
「ワシ美輪明宏の追っかけじゃからな。カラオケの十八番はヨイトマケの唄じゃ。」ボンズ「あぁ、オレもあの唄には泣いたよ。」
じぃ「そうそう、オマエをクビにしてワシが加入したバンド、ワシ以外のメンバーみんな抜けたわ。オマエまた加入せんか?いっしょに紅白目指そう。」ボンズ「?!」

(2011.2.1)

<了>